新しい治療法への期待と残された時間
「もう残りの人生は短いかもしれないと感じています。だからこそ、仕事を辞めて残りの時間を楽しいことだけに費やしたいと思っています。」
— こういった考えに共感する方も多いかもしれません。人生の選択は最終的に自分で決めるものであり、自分にとって納得のいく形で生きることが大切です。ただ、最近の医学の進歩は目覚ましく、少しでも治療を続けながら「細く長く生きていく」という選択肢も、現代では可能となっています。
近年では、がんの治療法も多様化してきており、化学療法や放射線療法に加え、免疫療法や分子標的薬なども登場しています。国立がん研究センターの報告によれば、これらの新しい治療法は生存率向上に一定の効果があるとされています（※1）。今後、こういった治療法がさらに進化し、自分に合った治療法が登場する可能性もあります。そのため、治療を続けながら日常生活や仕事を両立することも一つの選択肢と言えるでしょう。
治療の継続とQOL（生活の質）の維持
「ただ、治療を続けても効果が見られない場合もあるでしょうし、無理をするよりも人生を楽しむ方が良いかもしれない、とも感じています。」
— 治療には確かに個人差があり、全員が同じように効果を得られるわけではありません。抗がん剤などは副作用も伴うため、治療と生活のバランスが大切です。たとえば、厚生労働省の報告では、適切なサポートと緩和ケアを受けながら生活の質（QOL）を保ち、仕事や日常生活との両立を目指すケースが増加していると述べられています（※2）。自分が大切にしたい価値観や目標に基づいて治療の方向性を決めることが、後悔の少ない選択につながるでしょう。
最後は自分が決める人生
現代の医療はますます進化を遂げ、治療方法やサポート体制も多様化しています。たとえば、抗がん剤や放射線治療を受けながらも生活の質を維持する生き方や、副作用と向き合いながら長期生存を目指す道もあります。一方で、つらい治療を最小限に抑え、短いながらも充実した人生を送るという選択もまた尊重されるべきものです。
最終的に、どのような生き方が自分にとって最もふさわしいかは自分自身の心が決めるべきです。医療の進歩がもたらす可能性を取り入れつつ、自分が納得のいく形での生き方を見つけてください。がんキズナスクエアでは、さまざまな生き方を選択する患者さんや家族をサポートするための情報も提供しています。これからの人生を、少しでも心穏やかに過ごすための参考になれば幸いです。
※1 国立がん研究センター報告「最新のがん治療と生存率の関係について」
※2 厚生労働省「がん患者の生活とサポート体制に関する調査」